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山崎聖天さんの花まつり 

  山崎聖天といえば、春のお花見で有名です。春爛漫の季節に桜花をはじめ、花々を聖天さんに献上する花まつりが毎年四月初旬に行われます。
 全力をこめ咲き乱れる花の美しさ、種の存在、無限へ通ずる花の逞しい営み。この生命の神秘、この美しい花を捧げて、陰陽の根源を司る「聖天さん」を供養するものです。そして、良縁と繁盛、無病息災など庶民の幸福を願う
この「花まつり」は古く戦前から、先代の住職が導入されて続けられてきたものと聞きました。

 お祭は行列(先導・役僧2名・楽士9名・役員数名)が桜・山吹・椿など季節の花を散華しながら聖天堂を右回りに一周した後に、堂上の役僧が童子達から交代に手渡された供物を聖天さんに献じます。
 その後、鐘楼の前に設けられた舞台で、童子が鳥や胡蝶などの衣装をつけ、優雅な雅楽に合わせて、迦陵頻(かりょうびん)・胡蝶楽(こちょうらく)・還城楽(げんじょうらく)などの舞踊が奉納されます。迦陵頻は雅楽の一つで、天冠をつけ美しい鳥の翼を負い銅拍子(シンバル)を持った4人の童子の舞いです。

 胡蝶楽も雅楽の一つで、天冠に山吹の花を挿した4人の童子が手に山吹の花枝を持って舞います。還城楽は見蛇楽(げんじゃらく)から転じた一人舞いで、赤顔・深目で釣顎(つりあご)の仮面を付け、一尺一寸の桴(ばち)を持ち喜ぴ飛び跳ねて舞うものです。

 その後、六斎念仏踊りや日舞の奉納などもあり、春の優美で楽しいまつりです。